(1) 裁判所に対する破産申立書の提出
裁判所に対して、破産申立書を提出します。

ご依頼を受けてから、破産申立書の提出までにかかる時間は、ご依頼者の方が、破産申立てに必要な書類をどの程度の時間でそろえていただけるかで大きく異なりますが、事業を継続しており、従業員が数十人いるような会社の場合、早く破産申立をしないと混乱が広がりますから、少なくても3週間程度で破産申立をしたいところです。

これとは異なり、弁護士のところに相談に来た時点で、すでに事業をやめてしまっており、従業員もおらず取引もしていない、あるいは従業員は家族だけである、債権者が銀行だけ、会社とは言うものの実態は個人の事業主と同様である、というような混乱にならないような会社破産の場合は、じっくり破産申立書を作ることができますので、場合によって、数ヶ月をかけて破産申立をするということもあります。

なお、破産申立をする間も、弁護士が債権者、従業員の方などに対応します。ご依頼者の方が対応する必要はありません。

(2) 裁判官との面接
会社の社長、経理担当者などと弁護士が裁判所に行き、破産に至った経過、資産・負債の状況、従業員、債権者、賃借物件の状況、その他の問題点について、裁判官から質問を受けます。

この時に、裁判所に納める予納金の額も決定されます。

(3) 破産開始決定
破産開始決定がされ、破産管財人が選任されます(裁判所が選任した弁護士が破産管財人になります)。

(4) 破産管財人との面接
会社の社長、経理担当者などと弁護士が、破産管財人の法律事務所に行き、破産管財人から質問を受けます。事前に破産申立書をよく頭に入れておき、質問を受けそうな点については、どのように回答するかを考えておく必要があります。

(5) 資産の処分・配当
破産管財人のもとで、会社の資産の換価、売掛金の回収が行われ、これを債権者に配当します。

会社が、一部の債権者に不公平な弁済を行っていたり、あるいは会社の財産を不当に処分してしまったような場合は、破産管財人がこれを取り戻します。

(6) 債権者集会
裁判所で債権者集会が行われ、破産管財人が、破産に至った経過、資産・負債の状況、配当の状況などを説明します。

ただ、出席して説明を聞いてもあまり意味がないと考える債権者の方が多く、債権者は出席しないか、出席しても数名、十数名程度のことが多いです。

配当が終了していない場合は、さらに債権者集会が開かれる場合もあります。

配当するほどの財産がない場合、配当をしないで破産手続が終結することがあります。

(7) 破産終結決定
これによって、破産手続きは終了し、会社は解散となります。

破産申立書を提出してから、破産終結決定までにかかる時間は、不動産の処分や売掛金の回収にかかる時間、不公平な弁済の有無、配当の有無などによって異なりますが、一般的には6ヶ月~1年程度です。

法人破産・会社整理の専門サイト

下記の「法人破産・会社整理」の専門サイトもご覧ください。

会社整理破産専門サイト


法人破産に関するQ&A一覧

No Q&A
1 毎日資金繰りに追われ、夜も眠れません。会社を整理するしかないと思っていますが、どのようにすればよいのでしょうか。
2 破産をするかどうかどうしても決断がつきません。
3 弁護士に破産手続きを依頼した場合、弁護士はどのようなことを行うのですか。また、弁護士に依頼した場合のメリットはどのようなものでしょうか。
4 会社が破産した場合、私が個人で持っている自宅、預貯金、その他の資産はどのようになるのでしょうか。妻が持っている資産についてはどうでしょうか。また、私個人も破産する必要があるのでしょうか。
5 破産手続きをしている間は、他に仕事をすることができないのでしょうか
6 破産をした場合、取引先が会社に押し掛けてくるようなことはないのでしょうか。この場合どうしたらよいでしょうか。取引先が納品した品物が会社内にある場合の対応、リース会社に対する対応などについても教えてください
7 破産をすれば、従業員は解雇せざるを得ないと思いますが、従業員にはどのように対処したらよいでしょうか。未払い給与、解雇予告手当の支払い、社会保険関係の処理について教えてください。また、従業員の私物はどうしたらよいでしょうか
8 労働者健康福祉機構というところが、未払い給与などの立替払いをしてくれるとのことですが、詳しい内容について教えてください
9 破産をすると、どのように手続きが進むことになるのでしょうか。また、破産手続きが終了するまでどの位の時間がかかりますか。(A.裁判手続が開始する前)
10 破産をすると、どのように手続きが進むことになるのでしょうか。また、破産手続きが終了するまでどの位の時間がかかりますか。(B.裁判手続が開始した後)
11 会社が破産する場合、取引先には迷惑をかけたくないので、事前に話をしておきたいのですが。
  また、支払いをしないと倒産しかねない取引先があり、ここには支払いしたいのですが、どうでしょうか
12 会社には、機械類、在庫、土地建物などの資産がありますが、会社が破産をした場合、これらはどうなるのでしょうか。会社の機械類を使って、新たに商売をしたいのですが、このようなことは可能でしょうか。
  また、土地建物について、買いたいという人がいるので売ってしまってよいでしょうか。売却価格が適正なら問題がないでしょうか。
13 会社が破産した場合、会社が賃貸していた建物はどうなるでしょうか。反対に、会社が賃借していた建物はどうなるでしょうか。この他に、敷金・保証金の扱い、借地権についても教えてください。
14 破産をした場合、支払い未了の商品、取引先から預かっていた金型、リース物件、ローン返済中の自動車はどうなるでしょうか
15 破産のために必要な費用としてどのようなものがあるでしょうか。この費用はどのようにして用意したらよいでしょうか
16 取引先Aから、Aが当社に持っている債権について、当社が他社に持っている売掛金を担保に入れるように言われています(債権譲渡担保)。担保に入れることに問題があるでしょうか。会社の売掛金を担保に入れて、新規に融資を受ける場合はどうでしょうか。
また、昨今の不況で業績は悪化し、負債もかなり膨らんでいます。息子が同じ事業を継ぎたいと言ってくれたため、何とか息子のために事業を残したいと考え、息子が代表となる別の新会社に対し、私が経営する会社の事業設備を贈与したり、新会社が負担すべき債務を肩代わりして弁済したいと思っていますが、大丈夫でしょうか
17 破産をした場合、いろいろ制限があり、郵便物が破産管財人のところに行ったり、旅行をするにも許可が必要ということ聞きました。また、就職するにも制限があるようですが、制限の内容はどのようなものでしょうか。取締役にはなれるのでしょうか
18 会社が破産することになりましたが、会社のいくつかの事業の中で、利益をあげている部門があるので、社員のためにも、この事業だけは継続したいと思っています。このようなことは可能でしょうか
19 会社が破産する場合、係争中の訴訟はどうなりますか。法人税や消費税の申告をする必要はあるでしょうか。財産を隠したり、虚偽の報告をするとどうなりますか
20 法人破産をした具体例について知りたいのですが、事例があったら教えてもらいないでしょうか