痴漢事件は、その態様によって、刑法の強制わいせつ罪、各都道府県の定める、いわゆる迷惑防止条例違反の容疑として、警察などによる捜査の対象となります。
痴漢事件の被疑者は、警察などの捜査機関によって、逮捕される可能性があります。また、痴漢事件の場合には、駆け付けた警察官によって、現行犯逮捕されることもあります。
現行犯逮捕とは、現に犯罪を行っている者又は現に犯罪行為を行い終わったもの（現行犯人）を逮捕することをいいます。
現行犯人については、警察官ではない、一般の人でも、裁判官の逮捕状なくして、逮捕することができます。
犯罪を行っている、または犯罪を行い終わって間がない場合などで、人違いなどの恐れがないと考えられるためです。
一般の人が、現行犯逮捕した場合には、直ちに検察庁や警察官に引き渡さなければなりません。
痴漢事件においては、痴漢の被害者、周囲の人、駅員などが、痴漢行為をした被疑者を警察官に引き渡すことがあります。
臨場した警察官に、当該被疑者が逮捕され、警察署に連行されて、事情を聞かれることになります。
他方、繰り返しの痴漢被害を受けている被害者などからの情報により、常習的な痴漢行為を行う被疑者を、警察官が尾行し、痴漢行為を行った瞬間に、その場で現行犯逮捕するという例もあります。
警察などの捜査機関が、痴漢事件の被疑者を逮捕した場合、被疑者の手(掌、指の間、爪と指の間など)から、被害者の衣服の繊維などの証拠物を採取したり、取り調べを行い、被疑者の供述を調書として作成したりします。
痴漢行為を認めているときは、勾留されずに、釈放される場合が多いです。
他方、被疑者が痴漢行為を否認しているときには、逮捕に引き続き、勾留される危険性が高くなります。
刑事弁護の専門サイト
下記の「刑事弁護」の専門サイトもご覧ください。
